永遠の憧れ(3)

私が思春期に夢中になったものがもう一つある。
「沖田総司」、言わずと知れた、幕末、新撰組の壱番隊長である。
記憶が定かではないけれど、多分、汀さんを知る前から私は「総司」が大好きだった。
勿論、書物の中の沖田総司である。新撰組関連の本を探しては読み漁っていた時期があった。
いろいろな総司像に出会ったけれど、いつしか私の中の総司像は、「汀夏子の沖田総司」になっていた。(実像はきっと全く違ったかもしれないけど・・・)
人が大人になる前のある時期に、とても心惹かれるものがある。その時期にしかない感性で、おとなになるにつれて無くしてしまう感性なのでは・・・と思うが・・・
例えば、桜桃忌には今もたくさんの花が手向けられたり、
尾崎豊の歌は多くの若者に支持され続けている。
ジェームス・ディーン、
沖田総司、
寺山修司の少女詩集
「汀夏子」という人はそれらと同列の魅力を持つ人だったのではないかという気がしている、
あくまでも私にとっては・・・ということだが。

若山牧水という歌人は、青春の寂しさを愛した人だと言う。 
「 白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ 」
なぜか私はこの歌をみると汀さんを思い浮かべる。
空の青にも海の蒼にも、染まらず、染まれず、ただ一人・・・

時を超え、ピュアな魂を持つ若者たちの心を捉え続けているものの共通点は、
ある種の透明な淋しさなのではないだろうか。

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